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少年マガジンKC『魁!!クロマティ高校』(1)~(17)
少年マガジンKC
『魁!!クロマティ高校』(1)~(17)
著者:野中英次
発行年月日:2001/02/16~2006/07/14
「よく飽きないねぇ……」
高校時代、勉強もしないで何度も読み返し、親を呆れさせていました。ケラケラ笑っているだけのように見えたのかもしれませんが、実際には多大な影響を受けたように思います。
当時、私は中高一貫の進学校に通っていました。「勉強のできるやつが一番偉い!」「絶対に医者になるんだ!」そんな雰囲気があほらしく、息の詰まる日々。かといってモテないし、スポーツもできないので、なかなか突破口が見えない。そんな閉塞感を打ち破ったのが、『魁‼クロマティ高校』だったのです。
『魁‼クロマティ高校』は、日本一の不良校・クロマティ高校に入学してしまった優等生・神山高志と愉快な仲間たちによる学園ギャグマンガです。
某世界的シンガーにそっくりなフレディ、どう見てもロボットなメカ沢、ハイジャック犯・マスクド竹ノ内、そしてゴリラ。正直、どれもこれも意味がわからない! 出てくる必然性はゼロだけど、なぜか憎めないキャラクターたちが大好きでした。
主人公の神山は、何となく私と似ていたような気がします。不良校の優等生・神山と、進学校の劣等生である私。共に校内のマイノリティーだということに、勝手ながらシンパシーを感じてしまったわけです。
しかしながら、両者には決定的な違いがありました。私がウジウジと文句を言う一方で、神山は逆境をものともしません。彼は不良たちの中で自分を殺すのではなく、むしろ一番ぶっとんだバカをやってのけるのです。
神山は強引なボケを連発し、不良たちを翻弄することによって、いつのまにか彼ら(ついでにロボットとゴリラ)を手なずけてしまいます。そして、いつのまにかクラスを取り仕切るバカの急先鋒のような存在に成り上がりました。
クラス内カーストの低さゆえ白い目で見られても、そんなことはどうだっていい! 神山のように自分を曝け出せば、道が開けるんだ!
そう思うと、窮屈だった毎日から少し解放され、ダメな自分に自信を持つことができました。世間的な“輝かしい青春”を送ったとは言い難いですが、自分なりに楽しく生きてやったつもりです。
今の私がいるのは、神山のおかげだと思っています。そのせいで相当なテキトー人間になってしまいましたが、「まあいっか」などと思う今日この頃です。
(2014.07.15)