講談社100周年記念企画 この1冊!:モーニングKC『宇宙兄弟』

講談社100周年記念企画「この1冊!」

 

88冊目

モーニングKC『宇宙兄弟』

著者:小山宙哉

廣瀬良周
デジタルコンテンツ営業部 32歳 男

最も多くの書店さんに取り組んでいただけた1冊

書籍表紙

モーニングKC『宇宙兄弟』
(1)〜(14)以下続刊
著者:小山宙哉
発行年月日:2008/03/21〜2011/06/23 刊行中

 幼いころ、宇宙へ行くと約束を交わした兄・六太と弟・日々人。2025年、弟は約束通り宇宙飛行士に。兄は会社をくびになり無職。そんな兄が再び宇宙を目指しはじめるところからこの物語は始まります。大人になってからでも夢をあきらめずにがんばる六太の姿に、いつも元気をもらっています。

 この作品との関係は、2010年5月、担当編集者と担当販売部員が「売って欲しい」と情熱的に書店販売促進部に売り込みに来たことから始まりました。担当者がここまでプッシュしてくる作品ならば是非売ってみたいと思ったし、実際読んでみても「最高におもしろい」漫画でした。今年の6月に部署異動で書店営業の仕事から離れるまで、この作品を書店さんにおすすめし続けることになったのです。

『宇宙兄弟』を書店さんにおすすめするために、編集部・販売部が大量の魅力的な宣伝物を用意してくれました。サイン入り色紙、複製原画、試し読み小冊子、Tシャツ、1位帯、フィギュアつきPOP、特定書店限定ブックカバー…、列挙したらキリがありません。また、解禁ぎりぎりの情報を教えてくれることもありました。書店販売促進部員みんなの促進活動の結果、取り組んでいただいた書店さんでは軒並み売り上げが倍増。重版が決定するペースも加速しました。

宇宙飛行士は一人で飛んでいる訳じゃない、仲間の宇宙飛行士や技術者、家族など、様々な人たちの力で飛んでいる…まるで『宇宙兄弟』の中で表現されているような、素晴らしいチームワークだったと思います。また、私はこの作品で「自分がおもしろいと思って紹介した本を、書店員さんもおもしろいと思って大きく取り組んでいただいたところ、その本が売れて書店員さんに感謝される」という、営業の人間にとって最高の瞬間をたくさん味わうことができました。

 この1年の間に『宇宙兄弟』は小学館漫画賞一般向け部門と講談社漫画賞一般部門を受賞しました。まるで自分のことのように嬉しく感じられました。2012年春の映画化に向けてますます勢いがついていくだろうと思うと楽しみです。(実は、映画「宇宙兄弟」に出演することができました!エキストラですが…)

 私が書店営業をしていたときに、最も多くの書店さんに取り組んでいただけた作品『宇宙兄弟』、一人でも多くの人に読んでもらえると嬉しいです。

(2011.09.15)

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