14冊目
世界の名作図書館 23 長くつ下のピッピ
世界の名作図書館 23
『長くつ下のピッピ』
作:リンドグレーン
訳:矢崎源九郎
発行年月日:1966/12/15
現在の私はいたって健康ですが、子どものころは喘息の発作を起こしたり、熱を出したりと体の弱い子どもでした。学校もよく休みました。そんな時寝ながら読んだのは、「世界の名作図書館」という全52巻の児童文学全集でした。サイズはA4ぐらいの大きさで、厚みは3〜4センチある立派な本でした。
日本の民話や世界の神話、ピノキオ、アラビアンナイト、家なき子、龍の子太郎、二十四の瞳、走れメロス、ロビンソン漂流記や宝島、西遊記に雨月物語、キューリー夫人や野口英世などなど日本のお話や世界のお話、本当にたくさんのお話が入っていました。
咳で苦しかったり熱でだるかったりしながらも、家でゆっくり本が読めることはちょっぴり嬉しかったような記憶があります。その全集の中で気に入ったお話はいくつかありますが、とりわけ好きだったのはリンドグレーン作の「長くつしたのピッピ」でした。
ピッピは幼いころおかあさんを亡くし、船長だったお父さんも航海中遭難してしまい、一人ぼっちの9歳の女の子。でもおんぼろ屋敷で生活できるだけのお金もあり、お料理もなんでもできるので一人でもへいちゃら。馬とさるといっしょに楽しい毎日。勉強は苦手だから学校は行かない。でもお父さんと世界中を旅していたのでいろいろなことを知っている。お行儀は悪いけど力持ちでとても愉快な女の子。私はどちらかというとおとなしい子どもだったので、破天荒なピッピにあこがれたのかもしれません。
私には小学校4年生の女の子がいます。幼いころから本好きになってほしくて、夜寝る前には必ず本を読んであげました。その甲斐あって今は大の本好き。「もう今日は本読むのはおしまいにしなさい!」と言わないといつまででも本を読んでいます。
本はイマジネーションも広がり、たくさんの言葉を覚えることが出来るとても大切なものだと思います。昨今活字離れが言われていますが、子どもたちにはたくさんの本を読んで、わくわくする気持ちをいっぱい味わってほしいと思います。
(2010.12.01)