7冊目
青い鳥文庫『青い天使』
青い鳥文庫
『青い天使』(1)〜(9)
作: 倉橋燿子
絵: 牧野鈴子
発行年月日:
1997/06/15〜1999/09/15
入社2年目、書店販売促進部の白土です。
普段の仕事では書店さんをまわっていることが多いのですが、児童書売り場に行くと、子どもの頃読んでいた懐かしい本たちに出会うことがあります。
普段は忘れているけれど、表紙や書名を見て「ああ、そういえば昔読んだなぁ」と思い出し、昔の友達に久しぶりに出会ったように嬉しくなります。
子どもの頃に読んでいた本って大人になっても忘れないものですね。
私が小学生の頃愛読していて、今でも唯一本棚に全巻並んでいるのが、青い鳥文庫の「青い天使」です。
日本人のママとフランス人のパパを持つハーフの主人公の女の子が、色々な人に出会い、成長していくという感動の長編シリーズです。
これが、すっごく泣けるいい話なんです。あらすじを説明させて下さい。
前半は、親と離れて暮らすことになった離島での話。従妹やクラスメイトに苛められ、唯一の心の支えだったおじいちゃんも亡くなってしまい、苦難の連続ですが、主人公は段々従妹やクラスメイトたちと心を通わせていきます。
後半は友達と分かれ、移住したパリでのお話。大切な親友を亡くしてしまったり、衝撃的な出生の秘密が明らかになったり、最後には主人公は怪我を負って歩けなくなってしまいます。どんな時でもめげず、他人に優しくまっすぐに接することができる主人公に感動して憧れたものでした。
この間書店さんで見て懐かしくなり、久しぶりに本棚から引っ張り出して読んでみましたが、児童書といえども大人になった今でも感動しました。子ども向けだからこそ、大切なことをまっすぐ伝えてくれていて、心に響くような気がします。
先日、書店さんに「孫に何か本を買いたいんだけど、おすすめある?」と聞かれた際に、このシリーズをおすすめしてみました。後から「孫がすごく面白かったって言ってたよ」とお電話がありました。やっぱり良い本は古びないですね! 自分が面白かった本を、子どもに孫に薦めてみる、そうやって児童書は読み継がれていくんだと思うと感慨深い思いでした。
(2010.11.1)